
NOTOS |
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マーティン・ブラウンの2種類のノトスの特徴は、ダイアルとして使われている独特の準宝石の使い方にあると思う人もいるでしょう。黒のダイアルは、バックにオニキスを使っています。漆黒で大変硬く、見事なまでに磨き上げられていて、黒のノトスに実にすばらしい趣を生んでいます。 黒いオニキスと対照的なのが、南アメリカ産のココロングを使った白いノトスです。珍しい石ですが、性質はオニキスとよく似ています。 これらの石を使うことで、世界中のどんなラッカーや、色調が似ているだけの塗料を使っても真似のできない、独特の“表情” をノトスに与えているのです。 これらの美しい石は、その加工の難しさも並みではありません。この複雑な時計のディスプレイとして使うためには4個所をカットしなければなりませんが、加工の難しい天然素材であるため、1週間に2つのダイアルしか作ることができず、当然ながらこの美しい芸術作品の生産には限りがでてきます。 しかしながら、ダイアルの創造性も、そこから生まれる排他性も、この傑作を大きく特徴づける特性というわけではありません。実は、ノトスの最大の特徴は、滑らかなダイアルの上に見られるまれにみる機能にあります。ノトスはマーティン・ブラウンの画期的なイオス・ファミリーの中の4番目の作品です。ギリシャ神話では、ノトスはイオスとアストライオスの息子、つまりボレアスの弟にあたります。これらの神々が、マーティン・ブラウンの“複雑な”ファミリーを作り上げているのです。 ノトスの注目すべき点は、これまでどの腕時計にもなしえなかった機能、赤緯の表示機能が備えられていることです。G.A.バーナーの時計専門用語辞典によれば、赤緯とは次のように定義されています。「天文学では、星の時角圏上における星と天の赤道との角距離を示す」。これではわかりにくいかもしれません。マーティン・ブラウンは次のようにわかりやすく説明しています。「私は、真昼の12時に太陽がどの緯度にあるかを示す表示を作りたかった」。この表示は、7時と9時の間にある細長いカッタウェイで、髪の毛の2倍の厚さしかない針を使って示されています。この形はマーティン・ブラウン自身が神のルールの原則に従ってデザインしました。
「均時差は、赤緯と組み合わせる運命にある」と、マーティン・ブラウンはボレアスのメイン・コンプリケーションを組み合わせた理由を説明しています。しかしながら、このダイアルは、マーティンによって作られた右半分のほぼ3分の1をしめる扇形のディスプレイを取り入れた新しいコントロール・ディスクのおかげで、より読みやすく仕上がっています。また、均時差のディスクにはすでに月表示が含まれていたため、マーティン・ブラウンにとって、このディスプレイをノトスの5時と6時の間に組み込むことはたやすいことでした。 ダイアルのディスプレイは、0.3㎜のブルーかシルバーのフレーム(ダイアルの色による)で装飾されている一方、ムーブメントは主に、マーティン・ブラウンがムーブメントMAB88のために作ったモジュールを使っているのも大きな特徴の一つです。87個の部品で構成されているMAB5は、厚さは2.5㎜で、赤緯、均差、そして月表示を動かす「ブレーン」でもあります。
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